老眼鏡を使い始めて24年が経つ。今や何処に行くにもこれが無いと...
老眼鏡
【2002年5月記載】
最近電車の中で本を読むのがとてもつらい。文庫本を広げて文字に焦点が合うまでに、1、2分はかかる。どうにか読めそうな状態になって読み出しても、一旦本から目をそらすと、再び文字に焦点を合わせるのにまた同じように時間がかかる。薄暗いとさらに見えなくなってしまう。とにかく文字が見えにくく、すぐに目が痛くなってしまう。仕事でパソコンを使う機会も多く、時々パソコン画面を見るのもつらく、痛みからすぐに目から涙が出るようになってしまった。また細かい字はとても見にくくて、特に辞書を引くとき漢字の綴りはほとんど見えない状態で、ルーペを使ってようやくその字体が分かるまでになってしまった。
完全な老化現象である。しかしなんとしても「私はまだ若い」と思いたいし、そう見せたいので、眼鏡を使う気にはなれない。会社で重要な地位にあり、それなりに貫禄も備わってきたのならまだしも許せるのだが、まだまだそこらへんの課長レベルで年老いたなんてみっともなくて、老眼鏡はかけられない。
しかしやっぱり辛い、痛い。目がチカチカして涙が止まらない。朝起きた時は必ずといっていいほど目は充血している。以前サルコイドーシスになった時、この病気は目に異常をきたす場合が多いという事を聞いていたので、それも不安だ。やはり一度病院へ行って診てもらうことにした。
「少しアレルギーに罹っているみたい。目をよく使う仕事をなさっているのですか?パソコンをいつも使っているとか…」
「ええ、ほとんど毎日使っています」
「もちろん、老眼鏡はお持ちですね」
「いえ...」
やっぱり老眼鏡を持っていて当然な歳なのだ。ちょっと寂しいけれど、もう年老いてしまったのだ。いつまでも若くありたいけれど、私ももうすぐ47才。熟年の領域に差し掛かったみたいだ。ここらで冷静に人生を振り返り、そしてこれからの体力的に動ける残り少ない人生を考えるべきなのだろう。会社生活もあと10年あまり、ある程度先は見えている。本当に何かを成し遂げたといえるものに挑戦できる最後の時期に来ているということをあらためて認識しよう。

