老いても新たな挑戦をはじめるのは良いことだが...
ゴルフの打ちっぱなし
【2026年2月記載】
こうも毎日寒い日が続くと、どうしても動くのが億劫になってくる。そして、外へ出かけることはほとんどしなくなってしまう。しかし、その分、時間的には余裕ができてくる。が、なんとはなしに、何もせずに1日を過ごしてしまうというような日々を繰り返してしまう。だから、何となく充実感が得られない…。
そんな時、妻が言った。
「ゴルフの打ちっぱなしに連れて行ってくれない?」
「えっ!」
少しびっくり。彼女はゴルフをしたことが無い。学生時代に体育の授業で教わったことはあるようだが、私が新婚当時にゴルフを始めた頃、一緒にゴルフ練習場で少し打っただけである。それが70才近くになった今、ゴルフを始めるというのか…。
まぁ気分転換も兼ねて少し体を動かすのはいいだろう。打ちっぱなしへはいつも一人で出かけていたけれど、二人で行くのも悪くない…そう思って、ゴルフ練習場におもむいた。
冬のゴルフ練習場はとても閑散としている。特に平日は高齢者が数人練習しているだけなので、隣り合わせで打席を確保することができる。彼女は私のクラブを使って、グリップの握り方とスウィングを確かめながら一人で練習をし始めた。
真芯に当たりはしないがフォームが安定しているので、様になっている。私は教えるほどのスキルはないので、適切なアドバイスはできない。それでもスマホで彼女のスウィングを動画に撮ってあげると、参考になるようだ。
この日だけでおしまいになるかと思っていたら、「また行こう」と言う。今度は事前にユーチューブで動画を見ながら勉強している。
平日のゴルフ練習場はその多くが高齢者であるが、この頃は女性も多く、中には夫婦連れもよく見かける。若い頃、ゴルフは高齢になっても続けられると聞いて、本腰を入れるようになったのだが、それは間違いではなかったようだ。ただ、私は今まで高齢になってゴルフを始めたという話は聞いたことが無い。彼女にゴルフが出来るのか…。
この半月余りで、三回練習に行ったのだけれど、フォームに癖は無いし、スウィングも安定している。少しずつ芯近くに当たるようになってきた。それに手にマメができるわけでもなく、腕や肩が痛くなるわけでもなく、とても身体の調子は良いようである。私はつい最近まで、手にマメはできるし、たびたび腕が痛くなったりしていたのだから、それに比べればゴルフのセンスがあると言えるのだろう。
おそらく彼女は、こうして年齢を重ねていくにつれて、知らず知らずのうちに行動範囲が狭くなったり、気持ちが消極的になっていくと考えて、それを未然に防ぐ手立てのひとつとしてゴルフを思いついたのではないのだろうか。そういえば、三次にもゴルフ練習場やショートコースはあるので、もしこの先実家に戻ったとしてもいくらでも楽しむことはできる。
実際、二人で練習場に行くのはとても楽しいし、身体も動かせて充実感は得られている。もう少し続けてみて、短いクラブが安定して打てるようになれば、ショートコースに出てもいいし、なんなら彼女専用のクラブを買ってあげるのもいいだろう。バースディプレゼントとして。

