トップ自らが考えなければ事業は成功しない...その始まりであった
創発ワークショップ
【2007年7月記載】
絶対にうまくいくという自信はあったのだが、前日はなかなか寝付けなかった。
いくら新規事業を創出するといっても良いアイデアがなければ前には進まない。どんなに資金があっても、素晴らしい人材が揃っていても、良い仕組みをつくったとしても、である。要は、それを考える人、生み出す知恵が無ければ何もならない。情報が一番集まるトップ自らが考えるのが最も良い。トップ自ら考えるのだから、誰も文句は言えないし、トップも決して抵抗勢力とはなりえないはずである。そのトップに最新の情報なり知恵を与える場を設けることが新規事業のアイデアを生み出す上でのポイントとなる。
ということで、この春からそういった場を設けることに腐心してきたのである。それが有識者を囲む「創発ワークショップ」だ。最新の情報を有する有識者とはどのような人か。この有識者を選出し、ワークショップに参加してもらえるだけの企画力を発揮する自信はあった。候補は何人かいたが、最終的には最も私が興味のある人、是非話をしたいと思える人に決めた。それが一橋大学のF准教授であった。ハーバード大学で経済学の講師経験もあり、私のやりたいビジネスモデルのイノベーションに取り組んでいる先生で、サービス・マネジメントの第一人者である。若くて、研究所長曰く「ビジュアル系」でもある。
ワークショップのテーマは、ずばり「サービス・マネジメント」である。テーマの内容には自信があったし、参加者の興味を惹くだろうことは予測できた。ただ、このワークショップで新規事業のヒントが掴めるのだろうか、会社のトップ層が本気になって考えてくれるのだろうか、このワークショップが本当に新規事業の起案に向けての有効な手段なりプロセスとなりえるのだろうか、それが一番の心配事であった。
ワークショップは順調に行った。テーマ内容は斬新であり、参加者の注目を集めたし、講師の進め方もすばらしいもので、議論は白熱した。参加者は一様に、興奮し、場の雰囲気も大変盛り上がった。さすが一流の先生である。参加者の脳の刺激になったのは明らかであった。効果は十分あった。成果もあった。副社長が「このような活動は、今後も2、3ヶ月に一度は開催して、最低でも一年間は継続してやっていこう」とコメントするに至ったのである。
第一ステップは、クリアした。創発ワークショップとはどんなものか、みんなで体験し、共通認識はできた。我が社にしては新しい取り組みができ、少しばかり革新的なものに近づいて行けそうな気配が窺えた。成功である。さぁ、第二ステップはどうなるのか。この活動が継続していけるかどうか。2回、3回と回を重ねることができるのか。そして、新しい事業アイデアに結びつけることができるのか。最終の目標としての事業化に着手できるのか。楽しみはグッとと増えてきた。

