海の中は宝でいっぱい...

貝取りジョレン

【2004年7月記載】

「宅配ですが、今から釣具屋さんからの代金引換品をお届けします。金額は2315円です。よろしいですか」
「はい、結構です。よろしくお願いします」
前日、インターネットで注文した、かねてから欲しいと思って探し続けていた大きな熊手“貝取りジョレン”がやっと手に入るのだ。

一週間前、この辺りでは一番大きいといわれている木津ニュータウンに最近できたホームセンターに行ったとき、大きな熊手を見つけたのだった。しかしあまりにも大きすぎて、とても買う気にはなれなかった。柄の長さは、私の身長とほぼ同じで、まさに貝を採ることを生業とする人の仕事道具であった。これでは自動車にも積めやしない。やっと見つけたのに、諦めざるを得なかった。けれど収穫はあった。大きな熊手の名称が分かった。“貝取りジョレン”という商品名が表示されていたのだった。

早速インターネットで調べてみた。ある、ある、ある。いくつかのインターネットショップのホームページが分かった。今まで“熊手”で調べてみても見つからなかったのだが、今回はいとも簡単に分かった。“これさえあれば、アサリ、ハマグリ、シジミざくざく取れます”なんというキャッチフレーズだろう。まさに宝探しを実現させるかのように、心が踊ってしまう。サイズも大、中、小とある。全長52cm、横幅8cmの小を購入することに決めた。価格は1370円、送料込みで2315円。少し高いけれどこれに決めた。

貝取りジョレンを子どもたちに見せびらかした。
「なぁ、いいだろう。これさえあれば、アサリがすっごく簡単にたくさん取れるぞ。今度の夏休みは江津で貝取りをしよう」
「なんか、子どもみたいやなぁ。まぁ、ええけど」
息子が少し呆れたように呟いた。

いいよ、いいよ。それでも私は宝探しがしたいんだから。何かスカッとしたいんだ。日常的な、コツコツとした堅実な路線からはみ出したいんだ。少し幼稚な願望だけれど。