血圧のデータを測って15年が経つ。結構、これが役に立っている

フラミンガムスコア

【2012年3月記載】

起床時と就寝時に、血圧測定をするようになって3年が経つ。結構こまめに記録しているので、血圧値はあまり改善されてはいないけれど、それほど悪くもなってはいない。しかし、冬になると少しではあるけれど、高くなっているように思える。そんな中、息子からメールが届いた。

「血圧下げた方がいいよ。フラミンガムスコアで10年間のイベントリスクが計算できるのでしてみて下さい。Framingham Heart Scoreで検索してみてください」

フラミンガムスコアとは、マサチューセッツ州フラミンガム地区で実施された数十年にわたる住民の健康調査に基づき、今後10年以内に心筋梗塞や脳卒中などが発症するリスクを予測するものらしい。その評価項目は年齢、性別、LDL、HDL、血圧、喫煙の有無、糖尿病治療の有無であり、そこから予測値を算出する。

早速、私のデータを入力して、算出してみた。年齢:○△才、性別:男、LDL:○△□、HDL:○△、血圧:○△□/○△、喫煙:無、糖尿病治療:無。その結果、私が今後10年以内に心筋梗塞などの冠動脈疾患を起こす確率は、11%と予測された。私の年齢での平均値は16%だから、少しはマシである。まあ、こんなものかな。と、それで済ませていた。

数日後、奈良の自宅に帰った折、息子が聞いてきた。
「お父さん、例のスコアやってみた?」
「あぁ、試してみたけど、まぁまぁの結果だったよ」
「お父さんのことだから、今の値を入れてみただけだろうな。これのいいところは、血圧をどの程度まで下げれば、低リスクになるのかが分かる点にあるんだ。そこまでしないとだめだよ」

そうか、リスクを下げるための目標値設定をしないといけないのか。現状が把握できるだけでなく、将来に向けての目標値設定がキーポイントなのか。私の場合、低リスク値である7%に到達するためには、血圧を129/84以下にしなくてはならない。そういう目標設定をしてこそ意味があるというものなのだ。彼の見解は正しい。

しかしそうはいっても生活習慣の違う外国人のデータに基づいているものであり、将来にわたってのリスクと言っても、あまり切迫感がない。だから適当に測って終わりだったような気がする。もっと身近に感じる方法はないものなのか。そうすればより真剣に取り組むのだが。

たくさんの人たちのデータをもとに、このような予測ができるのは素晴らしいことである。データ蓄積をし、それを分析することによって、新たな知見が得られる。この例では、フラミンガム地区の人々のデータに基づいているけれど、これはあくまでもアメリカ人の場合であって、彼らの体質や食生活などの生活習慣の中での結果である。これが日本人のデータであり、生活スタイルも似た人たちのデータであれば、より私たちには参考になるし、予測の精度も上がるだろうし、取り組み姿勢も違うから効果も大きいはず。くらしに纏わるデータは、それ自身は単純であっても、そのデータを生み出している人々の生活は多様である。データはシンプルなものであっても、それがたくさん集まれば、私たちのくらしが多様であるがゆえに、現状も認識しやすくなるし、将来も予測可能となる。

家電で集まるデータは、種類は少なくても、多く集まればとてつもなく有効となり、くらしの役に立つ。やはり家電はネットワーク化しなくてはいけない。