食材の高騰に負けないように、頑張らないと...

もやし

【2025年5月記載】

夕方5時頃、いつものように妻が買い物から帰ってきた。家に着くなりとても驚いたように言った。
「ホント、びっくりした。何ひとつ残らず棚から消えていたものがあったんだけど、何か分かる?」
「…?」
「無くなっていたのよ。もうこの時間で全くの空っぽ。もやしが…」
このところの異常ともいえる野菜の高騰で、もやしが人気だというのは知っていた。実際、我が家もここ数ヶ月というもの、食卓にもやしが出ることが多くなった。以前はほとんど目にすることが無かったのに。それにしても、そこまで売れるとは。
「今朝のNHKの番組”あさイチ”で、もやし料理の特集があったでしょ。その影響で安いもやしが売り切れたのよ」

もやしは意外と美味しいものだと知ったのは7、8年前のことで、以前勤めていた会社で、群馬県太田市にある支店にたびたび出張していた際、社員と一緒によく居酒屋に行ったのだが、そこで、彼らがいつももやし炒めを注文していて、それがとても美味しかったのがやけに印象として残っている。とっても食感が良く、あっさりしていて味付けもいい塩梅で、そのうえ安かった。もやしってとても重宝な食べ物だと。

だから、私も今朝のNHKのこの番組は今の時期とても的を得ていて興味深く視聴した。が、それにしても消費者の反応は凄い。この番組の主な視聴者は、朝8時過ぎまで家庭にいる人で、その多くは専業主婦もしくは退職した高齢者と考えられる。働く人、特に若い共働き世帯はほとんどいないはずだ。

昨今の物価高の影響を受けている私たち年金生活者(高齢者世帯)が、このもやしを買い求めたに違いない。働いている人たちは夕方5時までに買い物ができるはずはないのだから。

物価の優等生と言われていた玉子やバナナが価格上昇する中で、もやしは今もって一パック(200g)40円程度と、とても安価な食材だ。さらに主食のコメがここ1年で2倍以上値上がりしていることを思えば本当に有難い。

リタイアし、料理をつくる機会が増えたと言っても、まだもやしを使った料理はつくったことがない。私には先入観がある。もやしって、安いだけで栄養価も乏しくそれ自身決して美味しいものではない。決して料理のメインには成り得ないと。

しかし、先の出張先で味わったように、もやしは意外と美味しいので、食材として使うのには有効かもしれない。栄養だってありそうだし、ダイエットにも良いらしい。いろいろな食材と組み合わせて使えば、高齢者の強い味方になりそうだ。早速レシピを検索し、私のレパートリーに入れるとしよう。