女性が活躍できる世の中がいつまでも続くといいね
アラジン
【2019年9月記載】
6月初め、封切と同時にディズニー映画を観に行った。アラジンの実写版である。当然のことながら、ストーリー的にはあまり新鮮味を感じなかったけれど、ミュージカル仕立てなので、音楽やダンスなど見せ場はたくさんあるし、ウィル・スミスなど演技力のある俳優が出演していたこともあり、エンターテイメントとしておおいに楽しめるものだった。おそらく何度観ても飽きることはないだろう。実際、映画はミュージカルが一番楽しいと思う。
ところで、ストーリーは重視しないはずだったけれど、気になるというか、ああそうなんだと思わせられることがあった。主役はもちろん青年アラジンではあるが、王女ジャスミンのあり方がとても斬新に映った。彼女は単なる美しく、おとなしい王女様ではなく、ひとりの為政者としてのあるべき道を模索している、もの言う主義主張を持った人間として描かれているのだった。最終的に、男であるアラジンが国王になって国を治めるのではなく、ジャスミンが女王として、いかに国を統治できるかということに主題が変わっているように感じたのである。これは7、8年前に観た「アナと雪の女王」でも感じたことではあるけれど。今のディズニー映画では、旧来の男性の手に身をゆだね、その中で幸せをつかもうとする女性像は否定されているようである。
今の世の中、パワーだけで押し通せるものではない。生きる力はそこには依らないということであり、男性も女性もないということが定着してきている証左だということだろう。むしろ育児や家事に長けて生活力のある女性の方が、より広い視点でものを見ることや考えることができて、また行動力があるということなのか。私が目にしている最近の若い人たちの多くは、どう見ても女性の方がイニシアティブをとっているし、それに対してとても従順な男性が多いと感じる。
歴史的にも平和な時代は女性パワーが強くなるということを、以前ものの本に書いてあったように思うが、今はまさにその時代になっているのだろう。
子どもを生み、子どもを育てるのは、女性だ。いくらイクメンとか言って育児休暇をもらおうが、男性がその主役にはなれない。
一方で、仕事においても女性の活躍の場が広がり、働き方改革にもよって、ひと昔前のような無理無茶な仕事のやり方は無くなってきている。その分、世の中が女性に期待し、依存しだしたということなのだけれど。
まさに、今の若い人たちの世代では、自立した女性に見合うだけの男性というものが要求されている。すでに、完全に女性が引っ張っていく時代に移っていると言っていい。それが常識になった。