クラブは新しくなり飛距離は伸びて安定してきたけれど、20年前のスコアには戻っていない...やはりスコアにクラブは関係ない?
22年ものクラブ
【2005年1月記載】
大学時代の仲間が集まってゴルフコンペを開くことになった。場所は神戸、西宮カントリークラブ。名門である。早速練習をしなくてはならなくなった。何しろ最近は、ゴルフなんてめったにしないから、コース感覚が無くなっている。パートナーに迷惑がかからないように、そこそこのレベルまでには上げておきたかった。何しろ私には少しばかりハンディがあったのだ。
と言うのも、私のゴルフ道具は新婚時代に購入したもので、しかも美津濃製ではあるが、一番低価格品のハーフセット。その後買い足して何とかフルセット近くにまで揃えたのだが、それから年月は随分と経過して、もう22年になる。この間、ずっとこのクラブを振り続けてきた。コースに出る回数は少ないものの適度に練習しているので、少なくとも5万回は振っている勘定になる。一本あたり5000回である。元々そんなに高価なものではなかったので手入れも適当だし、少し傷みがひどくなっている。いい加減新しいのに買い換えてもおかしくはない。2年前、さすがにウッドは買い換えた。今どき本当のウッド、パーシモン(柿の木)製を使っている人は見かけなくなったから、これはいくらなんでも恥ずかしいので買い換えた。そういう点で言えば、アイアンだって、カーボンシャフトになって久しい。これも買い換えるべきなのだろうが、一見するだけでは分からない。だからまぁ良しとして使い続けている。
そう、クラブは使えればいいのである。流行に大きく遅れなければ。見た目が恥ずかしくなければ。私の信条としては、クラブによって飛ぼうが飛ぶまいが、曲がろうが曲がるまいがそんなことは関係ないのである。クラブは所詮道具で、ゴルフは自己の運動能力とコースを攻める戦略能力と精神力を競うものなのである。私の経験では、ここにかかるクラブのウエイトは、極めて小さいと思われる。むしろゴルフボールの方のウエイトが高いかもしれない。よく飛ぶクラブにしてもせいぜい10ヤード、5%程度のアップに過ぎないだろう。こんなのはきちんとスイングすればいいだけで、足りなければ一番手クラブを長くすればそれで済む。またスイートスポットが広く取れるクラブにしても、少しメンタル面でぐらつけば元も子もない。要はどれだけ自分で描いたシナリオに、自分の肉体的、精神的能力を持ってして近づけられるかが面白いのだ。もちろん偶然によるラッキーも遊びの要素として大切なのだが、これは道具とは全く関係ない。まぁ、せいぜい体力が無くなって、シナリオが描きづらくなれば、道具に頼らざるを得ないが、それまでは、体力を維持し、精神力を鍛えればゴルフは十分楽しいものであるはずだ。
改めてそう思うと、古くて安物のクラブでも、それだけに、なんだか愛着が出てくるから不思議だ。今回は久しぶりに入念に手入れをして臨んだ。少し練習した甲斐もあってか、何とかみんなに遅れを取らずに済んだ。調子も良かったし、クラブも悪くはなかった。
しかし、さすが名門コース、キャディさんは一発で道具を見抜いたのだろう。回り始めるとすぐさま、私にだけは一番手長いクラブを差し出してくれた。それでも気持ちよく回れたのは嬉しかった。