私たち一人ひとりは省エネ努力をしていると思う...けれど
価値観の違い
【2015年8月記載】
夏はあまり好きではない。まだ冬の方がマシだと思っている。寒ければジッと丸まって炬燵に入っていればいいのだから。でも夏はそうは行かない。いくら扇風機を回してもだめで、それこそジッとしていても暑さはなんともならない。エアコンをガンガン運転すれば問題はないのだけれど、でもなんとなくエアコンを運転することは憚られる。室内は冷えても、室外はそれ以上に暑くなるのだから、エネルギーのムダというか、自ら暑くしているという感覚もあり、そうそうエアコンは運転できない。
特に夜はいけない。最近は熱帯夜が続くことが多く、エアコンを使わずにはいられない。けれど、必ず何度となく起きては室温をチェックし、外気温との差はどれくらいかを確認してしまう。設定温度を十分に下げて、ふとんをかぶって寝るようにすると熟睡できるとは思うのだけれど、どうしても快適性を得られるぎりぎりのところへ温度設定をし、エアコンなしで、うまくいけば自然の風を取り入れられるように途中で起きては確認することとなる。節約というか、ムダをしたくないという気持ちが働いてしまう。電気代なんて、それほどかかりはしないと分かっているのに。
我が家ではこんな状態なのに、果たして職場ではどうなのか。全く違う心の動きをしてしまう。一応会社内では、環境保全の意識向上により、エアコンの設定温度は28℃とされ、冷やしすぎはNGとされている。しかし、実際はそんなことは無視してガンガンに冷やしている。少しでも暑いと感じたら、それだけで業務遂行の妨げになる。可能な限り、余計なことに気を使わないように、多少の電気代のムダには目をつむり、仕事優先で考える。いくら環境に悪くても、電気代がかかろうとも、そんなことは知ったことではない。仕事ができての話である。
印刷に関してもこれと同じことが言える。近年はプリンターの性能が著しく向上し、とてもきれいに印刷できる。パソコンでの資料づくりも簡単にしかもきれいに出来るものだから、かえって紙の使用量は増えているように思える。インターネットの情報もすぐにダウンロードし、印刷できるものだから、やたらプリンターの稼働時間は増える。それに並行して印刷ミスも数多く発生している。誤って大量に、10枚、20枚と印刷してしまうこともある。また、なんでもかんでもちょっと気になったことはプリントしておきたいし、忘れたくないものはとりあえず印刷しておくこともよくある。全ては仕事の効率化のために。
ところが家庭ではどうだろう。とても注意深く、ムダな印刷はしないように、印刷開始まで何度もチェックする。出来るだけ枚数を抑えるように考えて、プリントアウト作業を行う。紙もムダをしないよう、印刷スタートの前には必ず確認をする。会社と家庭では印刷に対するアクションが大きく異なる。
直接自分がお金を支払うことに対してはとても敏感だけれど、いわゆるケチになるけれど、会社で仕事をするときは、会社のお金を使っているのでほとんど気にならない。むしろどれだけ楽が出来るか、どれだけ効率が上がるかの方が大切なのである。すなわち、家庭でのムダよりも会社でのムダは、はるかに大きい。自分たちのかけているコストに対する意識が全く違うと言っていい。会社はムダの塊であると言っていいかも知れない。
今、我が社は、新社長に代わって、事業対象のターゲットを従来の一般顧客から事業体にシフトしようとしている。BtoCからBtoBへ大きく方向転換しようとしている。BtoBには出来ることがたくさんあると見ているからである。私もそう思う。会社や事業体にはまだまだ多くのムダがあるはずで、やれることはたくさんあるはずだ。