27年前からほとんど前進していない。後れを取るのも当然だろう。もっと長スパンでの展望が必要だ

リサイクル

【1998年9月記載】

地球の環境保全に向けて、リサイクル活動の実践は限りある資源を有効に使っていくうえで大切なことである。一人ひとりが身の回りの小さなことから実行に移していくことが、トータルとして大きな成果につながることはすでに常識となっている。では実際にどんな事をやっていったらよいのだろうか。

日常生じる生活ゴミは、燃えないゴミ、燃えるゴミあるいは再資源化できるものに分別して廃棄する。食材を包装してある発泡スチロールのトレイやペットボトル、牛乳パックの回収システムに協力することなどがあげられる。

また入浴した後の風呂水を洗濯に使用する、それも温かいうちに使うと汚れ落しにも効果的であるとか、お米を洗った後の水を植木にやると肥料になってよいといった水の再利用がある。さらには調理時に出る生ゴミや食事の後の残飯などを家畜の飼料に使ったり、バイオ処理して肥料として用いることもあげられる。

一方ではバザーを利用して未使用の食器等の日用雑貨を有効に利用したり、家具を修理して長期間使用することもリサイクルの一環として考えられる。また衣服や装身具等も兄弟姉妹で使いまわしたり、靴や傘も修繕してとことん使い切るのも、リサイクルの取組みとしては大切なことだと思える。

よって、この様なリサイクル活動を推進していくうえで重要なことは、日頃からリサイクル可能なものを使う、リサイクル可能なように使うことであり、それは水や熱そしてあらゆる資源をできるだけ少ないエネルギーで再生しながら、カスケード的に、質の高いものから順次使用目的に応じて使っていき、最終的にこれ以上使うことのできない低レベルのものにして、廃棄することを意味する。

私たちに出来ることは、できるだけ質の良い状態で廃棄せずに、質が悪くなるまで使い切って捨てるように努めること、そして質の低いものをやたらと買わないこと、質の低いものを大量に消費するのではなく、可能な限り上質なものを少量消費すること、良いものを選んで購入することである。おそらく高価なものを買うはめになるかも知れないけれど、間違っても安物買いの銭失いにはならないことである。物はあまり買わないようにして、余裕のあるお金はできるだけ芸術やスポーツなどのソフト的なものに消費すべきだろう。

また我々メーカーとしても、従来の安価なものを大量に生産、供給するというのではなく、より本質を究めたものを開発、生産し、安価に供給するという姿勢が望まれるのではなかろうか。膨張、拡大路線を追求しなければ存続できないような企業はもはやこれからは生き残れなくなる。もちろんユーザーに対して利便性や快適性を提供し得る新規商品を開発し、新しい需要を掘り起こしていくことも大切ではあるけれど、暮らしていくうえでの本質的ニーズを追求し、より質の高い長持ちのする商品をユーザーに提供することが何よりも優先するのではなかろうか。

20年使える給湯機、親の代から孫の代まで使えるバスユニット、あらゆる加熱調理に使える電子レンジ、小学生からお年寄りまで使えるキッチンなどやることはたくさんある。