20年前はこんなことを考えていたのか...在宅勤務でこれも過去のことかな

知らんぷり

【2004年10月記載】

私は決して朝が苦手なほうではない。低血圧で朝はどうしても動きが鈍くてだめだ、なんて人もいるけれど、私自身そう感じたことはほとんどない。事実、血圧もほぼ正常で最高血圧は130から140の間である。むしろ朝には強いと言って良いかもしれない。

しかし朝はなんとなく一人でいたい。朝早くからワイワイガヤガヤと人と話をするのは、できれば避けたい。しばらくは一人でゆっくり考え、頭の中を整理して、体はゆっくり始動させたいと思っている。誰もがみんなそう感じているのだろうか。

朝の通勤時、7時の近鉄特急の車内はシーンと静まり返っている。大阪の地下鉄もそうだ。会話を交わす人はまれで、多くの人は朝刊を広げているか、目を閉じて眠っているかのように黙ったままである。8時を過ぎる頃の阪急電車の車内では、若い人たちが元気よくしゃべっている姿をたまに目にするが、それでも話をする人は少ない。

梅田から三国へ向かう阪急の普通電車には、当社の社員が多数乗っている。正確には乗っているものと思われる。しかし、めったに同じ車両に乗り合わせることもなく、たとえ乗り合わせたとしても、お互い気がつかない。おそらく気がつかない振りをしているのだろうけれど。

できれば一人でゆっくり座りたい。目を閉じてまだすっきりしない頭の中を、もう少し休ませてやりたい。何しろ通勤だけで片道100分かかるのだから、睡眠不足は免れない。隣に知った人にでも座られたなら、全く無視をするわけにもいかない。話のひとつやふたつ交わさなければ失礼になる。まだ活性化していない頭や体にはちょっと負担になってしまう。実際、運悪く、互いに知らずに隣り合わせに座ったときには、その日のリズムが少しばかり狂ってしまい、とても疲れた感じになってしまう。

そこで、電車に乗るときの注意点(特に梅田から出発する阪急電車の場合)。

その1、乗ろうとしている車両に知った人がいないかどうか、入る前に車外からさっと見渡してみる。いないことを確認してから乗ろう。

その2、空いている席に座ったならば、すぐに目を閉じて、できるだけ早く自分の世界に入ってしまおう。決してあたりをキョロキョロ見渡さないこと。知った人と目が合うと互いに気まずくなってしまうから。

その3、もし知っている人を見つけても、急に立ち上がったり、目や顔をそむけたりしないこと。あたかも気がつかないでいるように振舞うこと。そのほうが相手も安心して、こちらを無視することができる。

その4、乗る車両や座る場所はできるだけ同じところにすること。乗車位置が決まっていれば、互いに知っている人たちは、おのずとそこを避けて乗車する。やたら乗車位置を変えると、すぐに知った人に会ってしまい、相手の人にも迷惑をかけることになる。

通勤も長時間にわたると、どうしても自分の時間が欲しいもの。精神的にリラックスできる時間を確保することは、サラリーマン生活を送る上でとても大切なことだ。朝の通勤時には、みんな互いに背景になる努力をして、お互いの時間を確保している。