同じ目線位置でないとコミュニケーションはとり難い

良いお医者さんとは...

【2023年2月記載】

このところ右腕が痛い。そのような状態が続いている。

数ヶ月前に右手首が痛くなり、それより随分と前にギックリ腰で診てもらったことのある○△□整形外科に行ったが、その時は手首に注射をしてもらいいつの間にか治った。しかし、今度は右腕の手首から肘にかけて痛みが出てきた。安静時には全く痛みがないのだが、少し手首をひねると、前腕に痛みがはしる。

特に掃除をする時、テーブルの下や隙間に掃除機のノズルを入れて動かそうとして手首をひねることが多く、そのたびに痛みがはしる。毎日のことなので再度診てもらうことにした。この整形外科までは車で20分かかるけれど、何となく信頼できそうだったので、最近はここに通っている。

三度目ということもあってか、先生はため口で話しかけてくる。そして症状を診て「あぁ、これはテニス肘だな」と即座に診断を下した。こんなに軽い感じで診察しても大丈夫なのだろうか。もう少し威厳を持って欲しいのに…。
「テニスはしないんですけれど…。ゴルフならするんですが…」
「そやね。ゴルフは左手を使うから全く関係なくて、これはテニス肘やで。前回のように注射する?注射はすぐに痛みがとれるけど、外用薬はすぐには痛みが取れないよ」
「前回、注射の痛みが残ったので、今回は外用薬でお願いします」
馴れ馴れしい口調で、テニス肘に関するリーフレットと肘用サポーターを渡してくれた。

そんなにすごいお医者さんだとは思えないけれど、話は分かり易い。また、私の話も聞いてくれて、親近感が沸く。自分の持っている情報を可能な限り提示してくれているようで、少しうれしい。

ところで、先日人間ドックに行った。仕事を辞めたので個人負担は少し増えたが、自宅の近くにある□△○総合病院で受診することができた。

定期健康診断とか人間ドックは今まで何度となく経験しているので、今回もいつもと同じように淡々と検査を受けた。ところが、途中で問診があるのだけれど、他はスムースに行ったのだが、これには随分と待たされることとなった。今まで健康診断の問診は形式的なもののようで、ものの2、3分で終わるのが常だったが、今回は少し違った。

年の頃は30代半ばと思しきお医者さんが、私の提出した事前アンケート(ボリュームがあり、A4用紙4枚程度のもの)を見ながら、私の今までの病歴を尋ねてきた。そして、私の罹った病気についての自己見解を踏まえて、私へアドバイスをしてくれたのである。気胸について、サルコイドーシスについて、顎下腺腫瘍について…。あらためて気を付けることはなかったけれど、私のことをよく診てくれているという安心感はあった。

だから、問診に時間がかかるのだ…。

ひと通り検査が終了すると、結果が出ている項目をベースに再度彼のお医者さんの問診があった。データを見ながら私の健康に関する留意点を教えてくれる。中性コレステロール値が高いのは、体質によるところが大きく、そういうことを考慮したうえで健康管理をするように...と。

話し方が友人と話をするような感覚で、私にはスゥッと受け入れられて、気分が良かった。そう、また来てもいい(来たい)と思わせてくれたのだった。

やはり医者(偉い人)であっても患者(お客様)に対するスタンスは、同じ目線に立って、できるだけ多くの情報を共有することが必要だ。私たちにとっての医者の良し悪しは、対話の質にある。