老いはその人の立ち姿で分かる。常にチェックする必要があるね

みんな小さくなった

【2016年6月記載】

先日、人間ドックに行った。ひと通りの検査をしたのだけれど、胸のレントゲンで引っかかったり、視力がどんどん悪くなっていたりして、いつもながらあまり気分の良いものではなかった。その中で、身長も162.2cmになっており、少し低くなっていた。測るたびにちょっとずつ縮んでいってる感じだ。そういえば、お父さんもよく言っていた。「若い頃は、もっと背が高かった」と。

つい先日、奈良に勤めていた頃のメンバーが集まって懇親会をした。AさんやMさんなど、旧研究所の幹部が主で、ほとんどの人が私にとっては上司にあたる。年に1、2度集まっては旧交を温めている。この日も奈良町にある評判のお店で、ゆったりとした時間を共有し、新たな活力をもらった。研究所の頃からするともう20年近く経つというのに、みなさん相変わらず元気そうで安心したのだが、少し気になったことがあった。

もともと私は小柄で、このメンバーの中では一番のちび助だった。しかし、一緒に記念写真を撮ったりして並んだ時や、奈良町界隈を散策した時に気付いたのだけれど、私が全くのちび助ではなくなってきているのである。

今年、Aさんは73歳、Nさんは72歳、Fさんは71歳、Mさんは69歳、Kさんは65歳と、みんな高齢者になっている。そのせいか、みなさん少しばかり小さくなったようなのだ。背筋がいくらか曲がっているような感じもしたりして、私とあまり変わらないくらいになっている。ただ、Mさんだけは背筋がシャキッとしていた。聞けば、毎週フィットネスクラブに通って、筋トレをしているという。腕の力こぶを見せてもらったのだが、すごく盛り上がっていてびっくりした。現役の頃のイメージは、酒たばこ漬けで、健康とはほど遠い感じがしていただけに驚いてしまった。

人は歳を取ると背が縮む。何歳くらいから縮み始めるかはよく分からないが、私の場合は、学生時代に比べて、2cmくらい縮んでいるように思う。だから、みなさん、相当縮んでいるのではないだろうか。

背骨を構成している椎間板の厚みが、加齢によって少なくなっていくため、身長が縮んでいくらしい。よって、体重の重い人ほど、縮みやすいという。そう言われれば、同年代の知り合いの中でも、体重の重い人ほど歳を取るごとに縮んでいっているようにも感じる。

対策としては、むだに体重を増やさないことと、背筋をきちんとすること、この2点に気をつけることが大切である。体重が増えると、その分背骨に対する負荷が増えて椎間板が圧縮される。また背骨が曲がらないように、筋力をつけることが必要である。

どの道、ちび助の私にできることは、せめてこれ以上縮まないように、体重を保ち、運動をするように心がけることだ。歳を取り、白髪になったり皺くちゃになっても、背筋がぴんと張って、前をしっかり向いている人はかっこいい。腰が曲がり、小さく丸くなってしまってはみすぼらしくなってしまう。

定年を迎え、ゆっくりしたい気持ちはあるけれど、何もせずに楽ばかりしていてもあまりいい事はない。ここはMさんに倣って、食事面での節制はもちろんのこと、しっかり筋力トレーニングをしたりして、自分の体をある程度痛めつけることにしよう。適度の節制どころではなく、過度の節制が必要ということか。