神戸は港の景色が素晴らしい...ルミナリエはもういいんじゃない?
神戸ルミナリエ
【2025年1月記載】
阪神淡路大震災が発生して30年が経つ。神戸は完全に復活してその当時の面影もなく、美しい港町として活気にあふれているように見える。震災時に始まった神戸ルミナリエは市民に大きな希望をもたらし、途中コロナ禍により一時縮小したものの今年で30回を数えるまでに至った。震災直後からとても話題になっていたけれど、神戸市民でもない私はそれを目的に訪れることはできなかった。
しかし、30年の節目に当たる今回は、その復興のシンボルを目に焼き付けておきたいという気持ちになり、思い切って出かけることにした。目的はただ一つ、神戸ルミナリエの輝きをこの目で見るために。
神戸ルミナリエは17:30からの入場となるので、それまでは近くにある神戸ポートタワーに登って、港の景色を楽しむことにした。それほど高くない屋上デッキに立って、ひととおり辺りを眺めた後、タワー内にある回転カフェ&バーにてゆっくりと寛いだ。
今の時期はそれほど混んでいないので周囲に気を遣うこともなく、移り変わっていく風景を気の済むまで味わうことができる。港を出て行くクルーズ船、頻繁に出入りを繰り返す遊覧船そして貨物船や作業船が絶えることなく行き交っている。眼下には観光客の往来する様が見てとれる。夜の帳が下りるまでの2時間あまり、神戸の景色を満喫することができた。
神戸ルミナリエは想像していた通り、その電飾のすばらしさで私たちを圧倒してくれた。闇夜に浮かぶ光の城は絶大で、人々の歓声とバックミュージックに包まれて、しばし心の中が華やいだ。
神戸ルミナリエの趣旨は、震災犠牲者への鎮魂の為のもの、また復興再生への希望をもたらすということからすると、私たちのような被災者ではない人たちも、今の景色や雰囲気を味わってもいいんだというメッセージがあるように感じる。
しかし、私には分かっている。これが一時のものであり、電源が切れるまでのもの、昼間には輝きを失っていること、そして一週間後には取り壊されてしまうことを。とても儚く感じて、心底楽しむことはできなかった。
ポートタワーから眺めた神戸はすでに復興していて、その景色はとても美しく、それだけで私の心は十分豊かになっていた。
そう言えば、ポートタワーの屋上デッキで出会ったミュンヘンから来たという若いドイツ人は、港に景色を撮るために盛んにシャッターを切っていた。そして彼は、ここからの景色は素晴らしいと私に熱く語ってくれた。
今の姿だけで、すでに神戸は私たちの心をつかみ、和ませてくれている。電飾(ルミナリエ)は、もう必要ないのでは…。

