水の被害は年ごとに拡大している...雨予報には細心の注意を!
洪水(江の川)
【2020年7月記載】
最近はこの時期になると、何十年に一度の・・・とか、観測史上最大の・・・とか、かつて経験したことのない・・・といった表現でもって形容されるほどの甚大な水の被害が、メディアから決まって発信されるようになった。
線状降水帯によってもたらされる大雨は、西日本を中心に各地で大きな災害をもたらしている。おそらく温暖化に伴い、梅雨期の雨量が、私の幼いころに比べて相当増えているのだろう。
今年も熊本で球磨川が氾濫し、多くの犠牲者が出たけれど、ここ毎年のように7月は水害が発生している。特に私の故郷の近くでは、1昨年の広島と岡山で発生した河川の氾濫、6年前に広島で発生した土石流や崖崩れなどがある。
水の被害に関しては、私も幼い頃の昭和39年7月に、江の川が氾濫して当時住んでいた川戸の借家が軒下まで水に浸かってしまい、山の中腹にある神社まで避難し一夜を明かした記憶がある。その後、江の川は何度か氾濫を繰り返していたが、大規模な堤防工事により、しばらくの間はこういった水害の話を聞くことはなかった。
しかし、ここ数年は、江の川の氾濫が広範囲ではないにしても起こるようになった。私にとって、これなら十分大丈夫と思えた堤防をもってしてもである。
最近の洪水は、長雨で水かさが増して起こるというよりは、集中的な豪雨により一晩で一気に水かさが増え、家屋を流し去るといった、静から動へと水の動きが変わったように思える。何とも予測がつきにくい。
先の球磨川の氾濫で、今年の梅雨は終わったかと思っていたのだが、それから10日経った頃、江の川が氾濫したというではないか。それも私にとってはそれほどの大雨ではなかったという認識だったので、とても大きな衝撃を受けた。氾濫場所はかつて私が住んでいた川戸であった。
江の川は広島県の三次市から島根県の江津市へと流れている。いずれというか、もうそろそろ私は三次へ帰らなくてはならない。この三次も江の川の氾濫でたびたび大きな被害を受けてきた街である。今年は何とか水害には遭わずに済みそうだけれど、やはり年寄りがひとりで暮らすにはリスクが高い。ここ三次は、江の川に馬洗川と西條川が合流する地であり、ひとたび江の川が氾濫すれは、濁流にのまれるのは火を見るより明らかである。
今の世の中、昔の常識を超えたことが起きると考えなくてはならない。川の氾濫なんていつ起こっても不思議ではない。最悪のシナリオを考え、十分な対策をとり、備える必要がある。
今までのように、いつかは故郷(三次)へ帰るけど、今はまだ・・・とは言っていられない状況となっている。もう帰省する時期は限界にきていると考えるべきなのだ。