正しい言葉の使い方とは...変な言葉の使い方も時の流れであり、これも正しい
喪中につき
【2003年12月記載】
「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」
喪中はがきの印刷を業者に依頼し、出来上がってきた文面の書き出しである。別に不思議だとも思わず、そのまま知人や親戚に送った。しかしよく見るとおかしい。敬語の使い方がでたらめである。「年末年始のご挨拶を遠慮申し上げます」もしくは「年末年始の挨拶をご遠慮申し上げます」の方が、よりスムースに伝わってくる。「しまった。失敗してしまった。もっとよく点検をすればよかった」と悔やんだが、もうあとの祭りであった。
例年この時期になると喪中のはがきがたくさん来る。今年も私が喪中はがきを送ったのに前後して21通の喪中はがきが私宛に届いた。それを見てまたまた驚いた。文面がパターン化していて大きく2通りがあった。
まずは、「喪中につき年末年始のご挨拶は失礼させて頂きます」が7通で、納得性のあるものである。そして残りの中の12通は「喪中につき年末年始のご挨拶はご遠慮申し上げます」であったのである。私の出した喪中はがきは、世間一般では主流であった。どうしてここまで言葉が乱れてしまったのだろう。どうして正しくない文章が事例として広く行き渡っているのだろうか。ものを考える基本は語学力である。国語の力が無くてどうしていい思考ができようか。正しい言葉を使える人が少なくなってしまったのだろうか。

