東京はいつ訪れても楽しい...昨日は明治神宮土俵入りを見せてもらった

東京ベストフォー

【2015年10月記載】

再就職してからはあまり東京には行かなくなった。バリバリの現役時代にはとても自由に東京出張をさせてもらっていた。だから少し寂しい気もするけれど、十分東京は味わったと思う。その頃の思い出として、印象に残る東京をピックアップしてみよう。

その1、霞ヶ関

新しいことをするには、何と言っても国の動きや考え方を知るのが一番である。新規事業創出に向けて、経済産業省にはよく行った。初めて訪れた時は、ほとんど地に足が着かない状態で、その雰囲気に圧倒された。しかし、何度か行って慣れてきて、よく観察してみると、何のことはない。私たちのオフィスより環境はよくないではないか。狭苦しいところに、書類の山に埋もれて、会議室もろくにないところで、働いているではないか。食堂だって、質素で、メニューは少ない。いつだったか、真夏の暑い時期に会議をした時などは、電力ピーク対策ということで、冷房なしで汗だくになりながら討議をしたこともあった。

農林水産省にも何度か行ったが、ここも然りで、仕事環境は十分とはいえなかった。ただ、農水省の食堂は一般の人々に開放されており、特に鯨のメニューがあるのが嬉しかった。なんとなく素朴な感じがして親しみが湧く。

防衛省には一度だけ行った。ここは霞ヶ関ではなく市ヶ谷だったけれど、ものすごく入門チェックが厳しかったのが印象に残っている。国家の威信を示すかのように、建物も素晴らしかったし、職場環境としては他の省庁とは少しいいような感じはした。

とにかく、この界隈は日本の中心にいるという感覚に浸らせてくれて、私の人生に強烈な印象を与えてくれた。日本の中心とはどんなところなのか、そのものズバリではないにしても、その雰囲気を少しだけでも味わえたことが嬉しかった。

その2、丸の内、銀座、日本橋

日本の富の象徴的な場所。立派なビルが建ち並び、きれいな並木があり、路行く人々もひと目でエリートと分かる人が多い。みな上品さが漂っていて、洗練されているという感じがする。ただ、どの建物も、どのお店も、私たちのような一般人を用意には受け入れてくれそうにはなく、敷居は高い。特に百貨店やブランド店などは、本当のお金持ちしか入ってはいけないというオーラが溢れている。この区域を日常使いしている人は、この国のほんの一握りの人たちなのだというのが分かる。おそらく観光客にとっては、興味ある場所ではあるけれど、とても居心地の悪い場所なのではないかと思う。ただ、一歩足を伸ばせば、築地や新橋といっためちゃリーズナブルな区域があるのは嬉しい。

その3、ウォーターフロント

20数年前の社内研修で訪れて以来、ずっと注目してきた区域だけれど、その変貌ぶりには目を見張るものがある。倉庫が建ち並ぶ殺風景な景観と、延々と続く埋立地。そのイメージがこの社内研修で一新されて以来、ここは常にトレンドの最先端である。今や国際展示場をはじめ、国や企業の展示施設が数多く集まり、加えてホテルやレジャー施設が次から次へとオープンし、まさに世界のトレンドスポットになっている。個人的にもここ数年は、共同研究をしていた産業技術総合研究所をたびたび訪問していたので、親近感を覚える。ホテルグランパシフィックやゆりかもめからの景色はいかにも大都会といった感じで、印象的である。

その4、上野、アメ横

ここの美術館や博物館にはよく行ったし、ぶらぶら歩くにはいいところ。ここに行けば何がしかの文化的雰囲気を味わうことができる。特に西洋美術館と国立博物館は常設展示がしっかりしているので、いつ行っても新しい発見と感動がある。
それにここにはアメ横があるので、庶民的な雰囲気も味わえる。お父さんご用達の多慶屋もある。お父さんは、年末には必ずここに来て、干支の置物やウィスキーそしてお父さんの好物であるピーナッツなどを買い込んでは親戚知人に配っていた。また、近くにはお父さん憧れの東大があるので、その意味でもお父さんを想起させる場所だ。

この他に、六本木、新宿、渋谷、浅草、ディズニーなど東京を味わえる場所はたくさんある。ただ、会社生活を通して、また私の価値観から見た東京は、この4ヶ所に集約されるように思う。東京は素晴らしい都市である。