やはり民放の時代は終わったね。私がYouTubeやDAZNを観ているんだから...
TVドラマ
【2016年5月記載】
以前勤めていた会社での生活においては、テレビを見ることは少なかった。朝起きるとそのまますぐに出社し、夜の9時を過ぎて帰宅するというパターンが大半であったから、テレビをゆっくり見るなんてことはできなかった。休日にスポーツやニュースを見るのが関の山だった。ただし、家にいる時は、そのほとんどの時間でテレビがついていたので、見るとはなしに見ることは多かった。だからテレビコマーシャルは割りと記憶に残っていた。しかし連続もののドラマなどは全く見る余裕がなかった。生活リズムが合わなかったし、その時間が持てなかった。録画すればよかったのだろうけれど。
特に10年くらい前までは、番組録画はできたけれど、ビデオデッキによる録画テープが主であり、当然録画機能は未熟であった。今のようにDVDで、なんでもかんでも思いついたらワンタッチで、大量に予約したり録画できたりするものではなく、これはと思う番組を厳選して手間をかけて準備しなくてはならなかった。だから、自ずとテレビ番組を録画して、あとから見るなんて事はまれであった。
ところが、ここ数年、テレビ番組を見ることが多くなってきた。それも録画して見るというパターンの比率が増えてきている。当然スポーツやニュースなどは鮮度を要するので、わざわざ録画して見るということはなく、そのほとんどがドラマである。
これは情報機器や情報インフラの進展の賜物である。衛星放送やケーブルテレビなど、番組の種類と量の豊富さにはあらためて感心するし、機器の進化、特にDVDレコーダーの登場によって、いつでも簡単に自分の好きな時間に、好きな番組を楽しむことができるようになったからである。
私自身、定年となり、以前のようにがむしゃらに仕事をしなくてもすむようになったし、子どもたちも成人したので、自由になる時間が増えた。いくら通勤に時間がかかるといっても、夜の8時前には帰宅しているので、ゆとりはある。話題のテレビ番組を見ようと思えば、いくらでも見ることはできる。NHKの朝ドラや大河ドラマ、あるいは月9に代表されるような民法の定番、看板ドラマなどは、家族団欒の場としてみんなで楽しんで見ている。
このような番組は面白いので何度見ても飽きない(実際にはそうそう何度も見ないけれど)。特に、NHKはスタッフやキャストを使いたい放題に使っているといった感じで、役者がそろっているので内容が充実していて見ている者を飽きさせない。一方、民放の番組も面白いものはある。今まではCMが目障りだったけれど、ほとんど録画して見るので、とても見やすい。よけいなCMはスキップすることができるので、ドラマの中に入り込めるし、ムダな時間も省ける。このCMが曲者で、1時間番組だと6分間はこれで中断されるという。特に番組のクライマックス時には、CMの回数が増える傾向にあるので、録画してCMをスキップさせながら見るというのはとても有効だ。
ところで、民放も今のやり方では視聴者から敬遠されてしまい、結局のところ、CM収入が減ってしまうことになりはしないか。どのみち、録画観賞が根付くと、今のやり方では民放の存在も危うくなってしまう。民間のテレビ局も岐路に来ているのは間違いない。
テレビドラマは録画して見るもの。自分の好きな時間に、好きなだけ、それも無料で? だとしたら、これからの民間のテレビ番組は鮮度を要するものしか生き残れなくなってしまう。スポーツやニュース番組しか見られなくなる。それ以外のエンターテイメント、教育、芸術文化的なものは、すべてが国営放送のNHKになってしまうのだろうか。それも何だか味気ないし、危険な感じもする。何とか、民放の生き残る道はないものだろうか。