くらしの中に起こる小さな変化...こんなことがたくさん出てくるに違いない
ゴミ当番
【2022年9月記載】
家事を少しするようになって感じるのだが、定期的に順番が回ってくるゴミ出しの当番は、結構負担が大きいものだと。私の住んでいる町内では、燃やせるごみ(毎週月曜日、木曜日が収集日)、プラスチックごみ(毎週金曜日)、燃やせないごみ(第一、第三水曜日)、再生資源(第二木曜日)、自治会による紙資源・アルミ缶(第一、第三火曜日)と収集、回収日が決まっている。
とりわけ燃やせるごみ、プラスチックごみは毎週のことであり、特に燃やせるごみには生ごみも含まれるので、その扱いに注意が必要となっている。ゴミ収集車が来る前にカラスに荒らされてしまうとその後始末に大変な手間がかかってしまう。ということで、ゴミ出しグループ(5~6軒の単位)で、ごみがカラスの攻撃にあわないように対策をしている。収集場所に金網ボックスを設置しているところもあるが、これには設置するだけの専用面積が必要であり、大通りに面した街路樹のあるところでは、街路樹の周囲に設置が可能だが、そうでない宅地内に入ったところでは専用のスペースを確保できないので、専らごみの上から防鳥ネットを被せてカラス対策をしている。
このごみに被せる防鳥ネットを、毎回ゴミ収集車が来る前に出して、ゴミ収集後に回収する作業が発生することになる。この作業を週単位の当番制にして持ち回りで分担しているのだが、1~2ヶ月に一度は回ってくる。
燃やせるごみの場合、おおよそ朝8時に収集車がやってくるので、早い人で6時半頃にはゴミ出しをする。だから、その前後には防鳥ネットを出しておかなければならないし、収集車が去った後には防鳥ネットを回収するという作業が発生する。この週2回の作業がメインではあるけれど、プラスチックごみの場合も時々カラスの被害にあうので防鳥ネットを用意しなければならない。ただし、プラスチックごみの場合は、収集がお昼過ぎになることが多く、防鳥ネットの回収は午後2~3時になる。
この防鳥ネットを出し入れする当番にあたると何となくその週は落ち着かなくなる。ネットの出し入れを忘れないようにと、できるだけ早めに起きて用意しなければ…。回収するのを忘れないようにしなくては…。ゴミ収集車が来たかどうかの確認も何度となくすることになる。でも、この程度のレベルであれば何とでもなるのだが、このゴミ当番は、各家庭には常に誰かが居るという前提のもとに運営されているということが最大の課題である。これが今後は立ち行かなくなる恐れがあるのだ。
これまでの町内の主な住人は団塊世代の前の生まれであり、私のような団塊世代後は極少数であった。すなわち専業主婦の家族構成であり、ここ数十年は男性も定年退職し家に居るようになり、ゴミ当番のスキームは維持されてきた。しかし、少しずつ世代交代(住人の入れ替わり)が進んでおり、より若い人たちが住むようになってきた。また今の若い人たちの働き方は共働きが主体であり、常に誰かが家に居るわけではない。となると、ゴミ当番ができない家庭が出てくるということになる。
朝6時半にネットを出すことはできても、8時過ぎ(出勤してしまっている時刻)の回収はできない。
私のグループでも、Tさんが老人ホームに入ってしまった後に、新しく家を建て直してOさん夫妻が住んでいるのだが、二人とも医者で勤務時間の調整はつかない。このためゴミ当番は残りのメンバーでやり繰りしている。それしか手段はないのだという。私の家も、子どもの代になると共働きであり、Oさんのパターンになるのだが、このような家族が増えると今のスキームは立ち行かなくなる。
くらしの変化は確実に進んでいる。ゴミひとつとってもその収集方法を再考しなければならなくなってきている。世の中、変わっていないようで少しずつ変わっている。小さな事だけれど。